「ふるさと納税」を活用する私立大が2割に上っている。背景には、授業料などの学生納付収入に依存する大学の体質や、少子化で学生が増えない現状がある。
鎌倉女子大の福井文威(ふみたけ)教授(高等教育政策)に、大学への寄付の現状や課題などを聞いた。
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日本の多くの大学は近年、財務状況が悪化している。国立大は2004年の法人化後に運営費交付金が減らされ、私立大は少子化で学生納付金が減るなどしたためだ。
- ふるさと納税が大学の収入源に 私大など2割が活用、少子化で財政難
新たな収入源を求めて、寄付の獲得に力を入れる大学が増えてきた。なかでも、ふるさと納税は、仲介サイトが充実し、寄付者にお得感があるため、多くの自治体が活用することは理解できる。
一方、阪神大震災や東日本大震災などの大規模災害が相次いだこともあり、寄付に対する税制優遇の拡充が進んだ。インターネットの普及で、クラウドファンディングやふるさと納税などの手軽な方法も定着し、日本でも寄付する人が増えてきた。
ただ、公的な支援が減ったために寄付を集めるのは大学の論理であり、寄付する人の視点を欠いている。
多くの人から寄付を集めるに…